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令和2年度ハンセン病問題対策協議会の確認事項が締結されました

2021年7月14日

2020年10月29日に開催された、令和2年度ハンセン病問題対策協議会の確認事項が締結されました。

主な確認事項は以下の通りです。

  1. (1)国立ハンセン病療養所における医師の確保について、更なる処遇改善を含む具体的施策を実施し、引き続き医師の確保に最大限努める。

    (2)国立ハンセン病療養所の定員に関し、良好で平穏な療養体制の充実を図るために必要な人員確保に取り組む。三交替制での介護を実施する国立ハンセン病療養所における介護職員の夜間の処遇についてはその改善に努める。

    (3)国立ハンセン病療養所の賃金職員及び期間業務職員について引き続きその定員化に努める。定員内の職員の退職後の補充及び賃金職員等の定員化後の期間業務職員の補充については、必要な期間業務職員について新規採用が可能であることを厚生労働省から各国立ハンセン病療養所に対して改めて周知する。

    (4)各国立ハンセン病療養所における定員内の技能・労務職員の退職後の補充について、介護・調理・ライフライン関連職種の期間業務職員の新規採用等により必要な職員を確保する。

    (5)大島青松園における船舶の運航について、入所者が地域社会から孤立することなく良好かつ平穏な生活を営むことができるよう、運航関連施設の早期の改善整備等に向けて関連自治体等との連携協力に積極的に取り組む。

  2. (1)地域において、足底穿(せん)孔症、知覚麻痺(ひ)等のハンセン病特有の後遺症に対して適切な対応が行われ、また、回復者本人の心情に応じた適切な医療及び介護が行われるようにするため、より充実した支援体制を早急に実現する。

    (2)適切な社会内生活支援策の実施に向けて、引き続き回復者の生活実態の把握と実態に即した相談支援体制を実現する。

    (3)非入所者本人からの聞き取り等の調査を早急に実施し、非入所者によって扶養されていた家族の非入所者の死亡後の生活の安定等を図るための経済的支援の在り方を検討する。

  3. (1)大島青松園・キリスト教霊交会教会堂の緊急補修については令和2年度中に改めて設計業務の調達を行う。平成31年3月の「歴史的建造物の保存等に関する検討会」で取りまとめられた本格的保存に向けた「基本的考え方」に基づき、各国立ハンセン病療養所で選定された史跡については、重要性の高いものとして保存を進めていく。

    (2)社会交流会館については、学芸員の増員及び複数配置を進める。国立ハンセン病資料館は、語り部からの聞き取り調査の支援を行う。社会交流会館の運営が円滑に実施できるよう努める。

    (3)菊池医療刑務支所の歴史を後世に伝えることは大変重要であり、歴史が風化することなく継承されるよう、厚生労働省は今後も普及啓発に努める。

  4. 国立ハンセン病療養所の永続化に関する課題については、今後も、統一交渉団との意見交換会でその具体的内容について協議及び検討を行うこととするが、全国ハンセン病療養所所在市町連絡協議会との協力関係を構築するため、当該意見交換会への同協議会のオブザーバー参加等について、検討する。

  5. (1)ハンセン病回復者及びその家族の意見を尊重しつつ、家族が地域社会から孤立することなく良好かつ平穏な生活を営むための基盤整備を行い、偏見や差別のない社会の実現に向けて最大限努力する。

    (2)家族が社会内で良好かつ平穏な生活を営むため、また家族関係の回復を図るため、相談体制の整備及び充実を図る。

    (3)家族関係の回復及び偏見差別の解消を図るため、家族交流会事業及び講師等派遣事業を着実に実施する。