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令和3年度ハンセン病問題対策協議会の確認事項が締結されました。

2022年8月3日

2021年11月30日に開催された、令和3年度ハンセン病問題対策協議会の確認事項が締結されました。

主な確認事項は以下の通りです。

  1. 追悼式出席者に対する旅費支給については、対象範囲の明確化を図るべく引き続き協議する。

  2. (1)国立ハンセン病療養所における医師の確保について、厚生労働省は、副園長不在の解消等の医師確保のため、特命副園長制度の活用に加え、初任給調整手当及び宿日直手当の改善を含む必要な要求を最大限行う。

    (2)三交替制での介護を実施する国立ハンセン病療養所における介護職員の夜間の処遇を改善するため、引き続き人事院に対して介護職員の夜間業務に係る手当の増額を求める。

    (3)大島青松園における船舶の運航について、運航関連施設の早期整備に向けて関連自治体等と連携してこれを進める。
    各国立ハンセン病療養所への訪問者等が利用するための交通手段の改善に関する課題について、関係自治体への働きかけを含む方策を検討する。

    (4)入所者一人一人の意向を尊重した療養の実現が重要な課題であることを踏まえ、入所者の臨床・生活上の人権問題等に関する委員会的組織に関し、厚生労働省、国立ハンセン病療養所施設長及び統一交渉団による意見交換のための会議を引き続き開催する。

    (5)国立ハンセン病療養所における新型コロナウイルス対応については、高齢化が進む入所者の感染防止のため、万全の対策を講じつつ、入所者にとって地域との交流も極めて重要であるとの認識の下、感染防止対策と地域との交流の両立に努める。

  3. (1)地域において、足底穿孔症、知覚麻痺等のハンセン病特有の後遺症に対して適切な対応が行われ、また、回復者の心情に応じた適切な医療及び介護が行われるようにするため、より充実した支援体制を早急に実現する。

    (2)適切な社会内生活支援策の実施に向けて、回復者の生活実態の把握と実態に即した相談支援体制を実現する。また、全国的に充実した相談支援が受けられるようにするため、各地にソーシャルワーカー等の専門家相談員を配置する。

    (3)非入所者本人からの聞き取り等の調査を早急に実施し、非入所者によって扶養されていた家族の非入所者の死亡後の生活の安定等を図るための経済的支援の在り方を検討する。

  4. (1)大島青松園・霊交会教会堂の緊急補修は、令和4年度から工事を行う予定であることを確認する。 各療養所ワーキンググループで合意された歴史的建造物史跡等の保存計画については、厚生労働省はこれを尊重し、歴史的建造物保存等検討会を開催し、同検討会で了承が得られたものについては、滞りなく工事に着手できるよう、予算確保に最大限努力する。

    (2)社会交流会館における地域交流と歴史保存啓発活動のよりよい運営に向けて、医政局・健康局と統一交渉団は継続的に協議を行う。

    (3)厚生労働省は、旧菊池医療刑務支所の歴史を後世に伝えることの重要性を再確認し、同支所の歴史が風化することのないよう、自ら普及啓発を実施するとともに、展示等を行う社会交流会館の学芸員の活動費の支援など、普及啓発に必要となる支援を行う。

  5. 療養所の将来構想、医療・介護の在り方及び療養所の永続化問題については、国が責任を持って対応すべきものであることを確認し、統一交渉団との意見交換会を早急に開催し、その具体的内容について協議、検討を行う。

  6. 「癩病患者並血統家系調」の流出問題については、厚生労働省としても放置できないものであると認識するとともに、国立ハンセン病療養所が保管する公文書の管理について、統一交渉団との間で早急に意見交換の場を設置し、今後の在り方について具体的な方向性を検討する。

  7. (1)ハンセン病回復者及びその家族の意見を尊重しつつ、家族が地域社会から孤立することなく、良好かつ平穏な生活を営むための基盤整備等を行い、偏見や差別のない社会の実現に向けて最大限努力する。

    (2)家族交流会事業及び講師等派遣事業を積極的に実施する。

    (3)家族が社会内で良好かつ平穏な生活を営むため、また家族関係の回復を図るため、家族及び弁護団との継続的かつきめ細やかな協議・意見交換を行いつつ、相談体制の整備及び充実を図る。