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令和5年度ハンセン病問題対策協議会の確認事項が締結されました。

2023年9月7日

2023年6月22日に開催された、令和5年度ハンセン病問題対策協議会の確認事項が締結されました。

主な確認事項は以下の通りです。

  1. 令和5年3月31日に公表された「ハンセン病に係る偏見差別の解消のための施策検討会報告書」を踏まえ、法務省及び文部科学省と連携し、より一層の名誉回復と差別偏見の解消に努める。

  2. (1)国立ハンセン病療養所における医師の確保について、厚生労働省は、医師派遣元大学等への協力金支給等の施策の効果的な運用と併せて、引き続き医師の経済的処遇に関する問題の改善のために必要な要求を最大限行うとともに、課題解決に向けた取組を強化し、医師の確保に最大限努める。

    (2)国立ハンセン病療養所の職員の定員について、引き続き良好で平穏な療養体制の充実を図るために必要な人員を確保する。三交替制での介護を実施する国立ハンセン病療養所における介護職員の夜間の処遇を改善するため、人事院に対して介護職員の夜間業務に係る手当の増額を求める。

    (3)大島青松園における船舶の運航について、入所者が地域社会から孤立することなく良好かつ平穏な生活を営むことができるよう、安定的な運航体制の確保に取り組む。

    (4)各国立ハンセン病療養所への訪問者等が利用するための交通手段の改善に関する課題について、協議の機会を令和5年中に設けるため調整を行う。

  3. (1)地域社会で生活する回復者が、ハンセン病特有の後遺症、心情等の個々の具体的な事情に応じた適切な医療及び介護を受けることができるよう、協力医の確保等の支援体制の充実と専門相談員の配置及び拡充に努める。
    特に、沖縄県に関しては、「沖縄県ハンセン病対策事業」の見直しを図り、沖縄本島では、令和5年度中に、専門相談員を配置するとともに、令和6年度以降も専門相談員の拡充に努めることとする。また、離島の宮古島では、遅くとも令和6年度までに専門相談員を配置するよう最大限努力する。

    (2)厚生労働省の委託事業である「沖縄県ハンセン病対策事業」及び「ハンセン病対策事業社会復帰者等支援委託事業」について、当事者のニーズや意見に添った適切な運営が行われるよう、委託事業者に対し、当事者との意見交換及びPDCAサイクルの徹底を指導するとともに、適切に事業の見直しが図られるよう、事業の評価及び管理・監督体制を整える。

  4. (1)各療養所の歴史的建造物史跡等の保存については、各療養所からの保存対象リストの提出状況に応じて、適宜、歴史的建造物保存等検討会を開催し、令和5年中に療養所の保存対象リストについての審議に努める。

    (2)療養所の資料館(社会交流会館)について、学芸員を配置枠どおり配置できていない点は対応を急ぐべき課題であり、委託事業者、療養所、入所者自治会等と相談し、各療養所の実情や資料館(社会交流会館)の活動方針も踏まえて、地元での学芸員の採用、配置を進めていく。

  5. (1)同様の経験を持つ家族相互の交流を深めることにより、自身の被害回復及び家族関係の回復の一助となるよう、また、家族が講演活動を行うことにより偏見差別の解消及び家族の社会参加が図られるよう、家族交流会事業及び講師等派遣事業を積極的に実施する。

    (2)家族が社会内で良好かつ平穏な生活を営むため、また家族関係の回復を図るためには相談体制の整備、充実が必要不可欠であるところ、家族及び弁護団との継続的かつきめ細やかな協議・意見交換を行いつつ、全国的な相談体制の整備及び充実を図るべく、最大限努力する。

    (3)国立ハンセン病資料館及び各地の療養所の資料館(社会交流会館)における、元患者家族に関する展示が不十分である現状を踏まえ、早急に展示の見直しを行い、ハンセン病家族訴訟及びその判決の内容、家族が受けてきた偏見差別に関する展示を整備する。

    (4)家族補償法に基づく補償金を受領していない対象者がいまだ多数に上る現実を踏まえ、制度の更なる周知広報等を行う。偏見差別を恐れて請求を躊躇している家族も安心して補償金を受領できるためのきめ細やかな対応を行うなど、権利を有する家族が一人でも多く補償金を受領できるよう、最大限努力する。 また、家族補償法第9条第2項に規定された請求期限が迫っていることから、立法府における法改正による請求期限の延長に関する要望等について、ハンセン病対策議員懇談会及びハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会の国会議員の方々に誠実に伝えるよう努める。