人権侵害とその歴史

らい予防法の廃止と新たな斗い

戦後の強制隔離政策を推進した「らい予防法」は一九九六年(平成八年)廃止され、時の厚生大臣は、廃止の遅れについて患者団体に謝罪しました。

しかし、90年に及ぶ強制隔離政策という国の人権侵害行為についての謝罪はなく、回復者の方々の厚生省に対する基本要求はいまだ実現されていないのです。

提訴写真

このような中、1998年(平成10年)7月に熊本地方裁判所で被害者たちによる国家賠償請求訴訟が提起されました。
国の加害責任の明確化と人間の尊厳の回復を求める裁判の始まりです。翌99年(平成11年)3月には東京地方裁判所で、そして九月には岡山地方裁判所でも斗いの火の手があがりました。
いま原告数は500名を超えています。